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建築業務について
  • 建て主をあらわす家

    住宅を建てようとする方は、これまで生きてこられるなかで、他の人とは異なる独自の思いや、価値観のようなものを、自らのうちにかたちづくっていると思います。そうしたものが、何らかのかたちで体現されたときにはじめて、その家は、本当の意味で御自分(達)自身の家といえるものになるのではないかと思います。そのばくぜんとしており、しかし強い思いのようなものを、住まい手の方とのいろいろなかたちでのやりとりを重ねるなかで、設計者としてたくわえてきたノウハウや美意識も活用しながら、できるだけ導き出し、それにふさわしい場をつくっていく、ということを目指したいと思っています。

  • 住みごたえのある家

    ただ、住宅の場合には、それだけではいけないのでは、と思います。住宅が出来上がり、お引渡しをしてから、住まい手の方とその家との長い付き合いが始まり、続いていくことになります。長い間に渡って、愛着を持って使ってもらえる場所をつくり、そこでの生活において、落ち着いた充実感のようなものを、日々感じていただけるようにすることについても、できるかぎり考えたいと思います。

  • 業務への着手

    始めに私は、御質問等を投げかけつつ、依頼主の方の求めておられるところのものを、できる限りうかがいたいと思います。またこちらとしても、別に述べているところの「2つの住宅」等、鎌倉山設計室の設計手法等もお示しするかと思います。そうした中で、依頼主の方の側でも、私が、お役に立てそうか、ということを御判断いただきたく思います。そして“やってみよう”ということになれば、計画案作成(*)という、業務の核心部分がスタートすることになります。

  • 対話を重ねること

    計画案の作成に際して、設計者は、依頼主の方の思いをかたちにしようとしますが、それは、「受身になる」ということでは決してありません。むしろ積極的に、計画図やスケッチ、関連資料の提示などをおこない、設計者みずからの意図を、可能な限り依頼主の方が具体的にイメージできるように努めます。そしてそれに対する依頼主の方の印象・感想等を引き出し、それを整理、あるいは若干のアレンジをしつつ次案を提示し・・ということを重ねていきます。

設計業務の流れ

  • 1.様々な対話

    設計者は依頼主の方と一緒に、様々なものに対し、対話を重ねていく必要があります。

    ○敷地:敷地は、同じものはひとつとしてありません。形状・大きさ・起伏や高低差・方位・眺望・道路との寄り付き・緑や自然との関係、或いは隣家との関係など・・・こうした多岐にわたるものが関係しあって、敷地はそこに、固有なものとして存在しています。そのよさを最大限に活かす為には、敷地の諸条件に充分に目を向け、試案を様々にたてて検討していく、というかたちの対話を、敷地と交わす必要があるのです。

    ○家族構成:そこにどなたとどなたが住まうのか、という観点での、充分な対話も欠かせません。場合によっては、住まわれる方同士の、異なる御希望同士に対し、うまい具合に折り合いを付ける方法を見つけ出さねばならない場合もあるかと思います。

    ○将来像:そこに住まう方御自身や、そうした方々の織りなす総体としての生活のあり様は、時間の経過と共に、変化していきます。それは完全には想像できないものではありますが、できる限りそうした将来をも想定した器をしつらえるために、時間との対話とでもいうべきものが必要になります。

    ○御希望:ここをどういう場所にしたいのか。ここでの暮らしを、どのように楽しみたいのか。・・この最も重要な、その家の芯にあたるものを、家の中に大きな明かりをともすように結実させてゆく為に、夢との対話とでもいうべきものをおこなっていくことになります。

    こうした対話・検討を粘り強く慎重かつ大胆に、大枠の御予算も踏まえつつ積み重ねて、計画案をまとめていきます。

  • 2.設計契約

    こうして計画の大筋の骨格が決まり、依頼主の方が、“これならば”と一応の御納得をいただけましたら、その時点で、設計手数料額(*)も含めた事前取り決めとしての、工事終了までの設計契約(*)を結ばせていただきます。具体的には、計画案の了承により、基本設計に入る時点とさせていただきます。残念ながらこの御納得点にまでいたらなかった場合には、設計者側にも責任がありますので、基本的には手数料にあたるものは、後述(補足内、第1項)の着手時金以外には、いただきません。そのようなことに至らぬよう、出来る限りのことはさせていただきますが・・。

  • 3.対話の継続

    設計契約以後も、この対話の考え方は継続する、とお考え下さい。計画案の完成、=建物の完成ではありません。業務の進行の過程:具体的には、基本設計・実施設計・確認申請・複数の候補建設会社の選定や、工事見積書の内容についての比較検討、御予算との兼ね合いによる、設計内容の一部修正、そして建築工事という流れのなかでも、設計者は、可能な限り、関連内容ついて依頼主の方に御説明し、契約時に決定された設計内容の大筋を踏まえての、可能な範囲での改良・改善を求め続ける、ということを工事の完了まで続けます。依頼主の方の御納得の積み重ねを軸として、設計内容のさらなる成長をもとめつつ、業務を進めたいと思います。

  • 4.建物の完成

    事の完了時に、依頼主の方のからだの一部のように血肉化された、愛着の詰まった建物をお引渡しできることを願っています。

  • 語句への補足

    *計画案作成:計画案の作成は、こんを詰めて行う必要のある作業ですが、依頼主の方の御納得にいたらない可能性もゼロではない・・
    このあたりを考慮して、鎌倉山設計室では、この作業(計画案の作成)の開始時に、着手時金として、一律3万円をいただくことになっております。依頼主の方と設計者との、信頼と責任の証とお考え下さい。

    *設計手数料額:鎌倉山設計室では、設計部分の工事金額や面積に応じた設計料算出表(自社)を基準に、算出します。
    すべての業務の開始時に、御提示して御説明いたします。

    *設計契約:上記の設計料算出表をもとに定められる業務手数料や工事関連業務の予定期日などの銘記された文書を取り交わします。
    もしできましたら、業務開始の時点で、おおよその御予算をお聞かせ頂けると助かります。

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